2016年6月25日土曜日

独りはお好き

 古本屋といったら、店の奥の方で店主が手持無沙汰に居眠りか本を読んでいるかが、相場だとおもっていました。そんなイメージをどこで得たのか皆目つかず、まわりの同業者さんもそんな暇な過ごし方しよるんは、あまり見られないようです。
 ところがどっこい!昼食っては睡魔がすいま。本を読んでは睡魔はすいま。ようやく目が覚めてくるのはお茶の時間。来るものも来ませんから、睡魔から逃れたので、読書がすすむ。と思いきや、元来読書家とは違い、2・3時間読み続けるのは到底ムリ。さてどうしようかと、思案していましたら、前回やっていた事がまだまだたくさんあるので、少しでも片づけることにしたよ。

 ブログに載せるつもりもなかったから、本を表紙と中身の解体。背に接着させるあれやこれやの実物。そんな途中経過の写真がありません。

結局はほぼ作業が終わり、しっかりと接着させるので、一日重しをのせている様子だけ。


 上は啄木君についてある、戦前の本。保管されていた環境が悪かったためか、表紙と本体が安易にとれてしまいました。表紙の紙質もだいぶ衰えており、修理したあとも、乱暴に扱うべからず。といった感じ。


 もう一冊は、深沢七郎くんの楢山節考。紙のカバーがめちゃんくちょんやったんで、店出しするのも億劫になっていたのが、ようやく日の目にでられます。破れていたカ所を、上に和紙を置いて、水筆で周りをなぞり、裂く。そして貼る。それで、重しを載せる。それだけ。なはずが、こちらも本体が表紙から安易に取れてしまいました。状態は啄木君よりかはまだましで、製本された年数の違いを感じました。

 これが、地方のとある古本屋のまれな一日。

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